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生命保険契約に関する権利の評価

1  相続開始の時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、相続開始の時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価します。
 なお、解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算し、解約返戻金の額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合には、その金額を差し引いた金額により生命保険契約に関する権利の価額を評価することとなります。

(注1) 生命保険契約には、これに類する共済契約で一定のものが含まれます。

(注2) いわゆる掛け捨てで解約返戻金のないものは評価しません。

2  解約返戻金相当額がわからないときは、契約先である生命保険会社などに照会し、確認してください。
 なお、生命保険会社などへ照会する場合には、あらかじめ時間的な余裕をもって照会する必要があります。

文責:橋谷厚勇

遺言書の内容と異なる遺産分割をした場合の相続税と贈与税

【遺言書の内容と異なる遺産分割をした場合の相続税と贈与税】

相続人の1人に全部の遺産を与える旨の遺言書がある場合に、相続人全員で遺言書の内容と異なった遺産分割をしたときには、受遺者である相続人が遺贈を事実上放棄し、共同相続人間で遺産分割が行われたとみるのが相当です。したがって、各人の相続税の課税価格は、相続人全員で行われた分割協議の内容によることとなります。

なお、受遺者である相続人から他の相続人に対して贈与があったものとして贈与税が課されることにはなりません。

(相法11の2、民法907、908)

文責:丸本亜希子

配偶者控除の対象となる居住用不動産の範囲

店舗兼住宅の持分贈与を受けた場合の取り扱いは以下の通りです。

 居住用部分から優先的に贈与を受けたものとして配偶者控除を適用して申告することができます。

なお、この取扱いは贈与税の配偶者控除を適用する場合に限り認められているものです。

また、居住用部分がおおむね90%以上の場合は全て居住用不動産として扱うことができます。

(相基通21の6-1〜3)

文責:今村 泰之

ゴルフ会員権の評価

相続税や贈与税を計算するときのゴルフ会員権(以下「会員権」といいます。)の評価方法は次のとおりです。
 なお、株式の所有を必要とせず、かつ、譲渡できない会員権で、返還を受けることができる預託金等(以下「預託金等」といいます。)がなく、ゴルフ場施設を利用して、単にプレーができるだけのものについては評価しません。

1 取引相場のある会員権
 課税時期の取引価格の70%に相当する金額によって評価します。
 この場合において、取引価格に含まれない預託金等があるときは、次に掲げる金額との合計額によって評価します。

(1) 課税時期において直ちに返還を受けることができる預託金等
 ゴルフクラブの規約などに基づいて課税時期において返還を受けることができる金額

(2) 課税時期から一定の期間を経過した後に返還を受けることができる預託金等
 ゴルフクラブの規約などに基づいて返還を受けることができる金額の課税時期から返還を受けることができる日までの期間(その期間が1年未満であるとき又はその期間に1年未満の端数があるときは、これを1年とします。)に応ずる基準年利率による複利現価の額

2 取引相場のない会員権
(1) 株主でなければゴルフクラブの会員(以下「会員」といいます。)となれない会員権
 財産評価基本通達の定めにより評価した課税時期における株式としての価額に相当する金額によって評価します。

(2) 株主であり、かつ、預託金等を預託しなければ会員となれない会員権
 その会員権について、株式と預託金等に区分して、それぞれ次に掲げる金額の合計額によって評価します。

イ 株式の価額
 2の(1)に掲げた方法を適用して計算した金額

ロ 預託金等
 1の(1)又は(2)に掲げた方法を適用して計算した金額

(3) 預託金等を預託しなければ会員となれない会員権
 1の(1)又は(2)に掲げた方法を適用して計算した金額によって評価します。

文責:橋谷厚勇

代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算

【代償分割が行われた場合の相続税の課税価格の計算】

代償分割とは、遺産の分割に当たって共同相続人などのうちの1人又は数人に相続財産を現物で取得させ、その現物を取得した人が他の共同相続人などに対して債務を負担するもので現物分割が困難な場合に行われる方法です。

1 この場合の相続税の課税価格の計算は、次のとおりとなります。

(1) 代償財産を交付した人の課税価格は、相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額から交付した代償財産の価額を控除した金額

(2) 代償財産の交付を受けた人の課税価格は、相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額と交付を受けた代償財産の価額の合計額

2 この場合の代償財産の価額は、代償分割の対象となった財産を現物で取得した人が他の共同相続人などに対して負担した債務の額の相続開始の時における金額になります。

 ただし、代償財産の価額については、次の場合には、それぞれ次のとおりとなります。

(1) 代償分割の対象となった財産が特定され、かつ、代償債務の額がその財産の代償分割の時における通常の取引価額を基として決定されている場合には、その代償債務の額に、代償分割の対象となった財産の相続開始の時における相続税評価額が代償分割の対象となった財産の代償分割の時において通常取引されると認められる価額に占める割合を掛けて求めた価額となります。

(2) 共同相続人及び包括受遺者の全員の協議に基づいて、(1)で説明した方法に準じた方法又は他の合理的と認められる方法により代償財産の額を計算して申告する場合には、その申告した額によることが認められます。

(参考事例)
 相続人甲が、相続により土地(相続税評価額4,000万円、代償分割時の時価5,000万円)を取得する代わりに、甲は現金2,000万円を相続人乙に支払った場合。

(1)乙の課税価格
  2,000万円×4,000万円÷5,000万円=1,600万円
(2)甲の課税価格
  4,000万円‐2,000万円×4,000万円÷5,000万円=2,400万円

 なお、上記の算式に代えて次により課税価格を計算することもできます。

(1)乙の課税価格 2,000万円

(2)甲の課税価格 4,000万円−2,000万円=2,000万円

3 なお、代償財産として交付する財産が相続人固有の不動産の場合には、遺産の代償分割により負担した債務を履行するための資産の移転となりますので、その履行した人については、その履行の時における時価によりその資産を譲渡したことになり、所得税が課税されます。
 一方、代償財産として不動産を取得した人については、その履行があった時の時価により、その資産を取得したことになります。

文責:丸本亜希子

配偶者控除の対象となる居住用不動産の範囲

 婚姻期間20年以上の夫婦の間で居住用不動産の贈与が行われ、一定の条件に当てはまる場合には贈与税の配偶者控除が受けられます。

 この場合の居住用不動産は、贈与を受けた配偶者が居住するための国内の家屋又はその家屋の敷地です。居住用家屋の敷地には借地権も含まれます。

 なお、居住用家屋とその敷地は一括して贈与を受ける必要はありません。
 したがって、居住用家屋のみあるいは居住用家屋の敷地のみ贈与を受けた場合も配偶者控除を適用できます。この居住用家屋の敷地のみの贈与について配偶者控除を適用する場合には、次のいずれかに当てはまることが必要です。

(1) 夫又は妻が居住用家屋を所有していること。

(2) 贈与を受けた配偶者と同居する親族が居住用家屋を所有していること。

 この具体的な事例を二つ説明します。

イ 妻が居住用家屋を所有していて、その夫が敷地を所有しているときに妻が夫からその敷地の贈与を受ける場合

ロ 夫婦と子供が同居していて、その居住用家屋の所有者が子供で敷地の所有者が夫であるときに、妻が夫からその敷地の贈与を受ける場合

 また、居住用家屋の敷地の一部の贈与であっても、配偶者控除を適用できます。
 なお、居住用家屋の敷地が借地権のときに金銭の贈与を受けて、地主から底地を購入した場合も、居住用不動産を取得したことになり、配偶者控除を適用できます。

(相法21の6、相基通21の6−1)

文責:今村 泰之


証券投資信託受益証券の評価

証券投資信託受益証券とは、投資信託及び投資法人に関する法律の規定に基づく証券投資信託で、投資信託会社が投資家から集めた資金を株などの有価証券に投資し、その運用によって得た利益を受けることができる権利を表示した有価証券をいいます。
 証券投資信託受益証券は、課税時期において解約請求又は買取請求を行ったとした場合に証券会社などから支払いを受けることができる価額により評価します。具体的な評価方法は、次のとおりです。

(1) 中期国債ファンドやMMF(マネー・マネージメント・ファンド)等の日々決算型の証券投資信託の受益証券については、課税時期において解約請求又は買取請求をしたとした場合に証券会社などから支払いを受けることができる価額として、次の算式により計算した金額によって評価します。

1口当たりの基準価格×口数+再投資されていない未収分配金(A)−Aにつき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額−信託財産留保額及び解約手数料(消費税額に相当する額を含む。)

(2) (1)以外の証券投資信託の受益証券については、課税時期において解約請求又は買取請求をしたとした場合に、証券会社などから支払いを受けることができる価額として、次の算式により計算した金額によって評価します。なお、1万口当たりの基準価額が公表されている証券投資信託については、算式中の「課税時期の1口当たりの基準価額」を「課税時期の1万口当たりの基準価額」と、「口数」を「口数を1万で除して求めた数」と読み替えて計算した金額とします。また、課税時期の基準価額がない場合には、課税時期前の基準価額のうち、課税時期に最も近い日の基準価額を課税時期の基準価額として計算します。

課税時期の1口当たりの基準価額×口数−課税時期において解約請求等した場合に源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額−信託財産留保額及び解約手数料(消費税額に相当する額を含む。)

(注) 証券投資信託の受益証券の中には、現在、金融商品取引所に上場されているものがありますが、このような受益証券については、解約請求等を前提とした評価方法は適切ではないことから、上場株式の評価の定めに準じて評価します。

文責:橋谷厚勇

障害者の税額控除

【障害者の税額控除】

1 障害者の税額控除

 相続人が85歳未満(注)で障害者のときは、相続税の額から一定の金額を差し引きます。

 (注) 平成22年3月31日以前に相続又は遺贈で財産を取得したときは、年齢要件が「70歳未満」とされています。

2 障害者控除が受けられる人

 障害者控除が受けられるのは次のすべてに当てはまる人です。

(1) 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人

(2) 相続や遺贈で財産を取得したときに障害者である人

(3) 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)であること。

3 障害者控除の額

 障害者控除の額は、その障害者が満85歳(注)になるまでの年数1年(年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。)につき6万円で計算した額です。この場合特別障害者については1年につき12万円となります。
 なお、障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引ききれないことがあります。
 この場合は、その引ききれない部分の金額をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます(扶養義務者についてはコード4164を参照してください)。
 また、その障害者が今回の相続以前にも障害者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。

 (注) 上記1の(注)に該当する場合は、満70歳に達するまでの年数により控除額を計算します。


文責:丸本 亜希子

贈与の年に贈与者が死亡した場合の配偶者控除の適用

 婚姻期間20年以上である配偶者から居住用不動産の贈与を受けた年にその配偶者が死亡した場合の配偶者控除の適用は以下の通りです。

 被相続人から相続や遺贈によって財産を取得した人が、相続開始の年に被相続人から財産の贈与を受けていた場合には、その贈与を受けた財産については相続税の課税価格に加算されるため贈与税はかかりません。
 しかし、相続開始の年に婚姻期間が20年以上である被相続人から贈与によって取得した居住用不動産については、過去にその被相続人からの贈与について配偶者控除を受けていないときは、その居住用不動産について贈与税の配偶者控除があるものとして控除される部分は、相続税の課税価格に加算されず、相続税の対象となりません。
 この加算しない部分は、贈与税の申告をする必要があります。また、申告する必要がある部分について、配偶者控除の適用要件を満たしている場合にはその適用を受けることができます。

(相法19、21の2、21の6、相令4、相基通19−9)

文責:今村 泰之

貸付信託受益証券の評価

 貸付信託受益証券とは、貸付信託法の規定に基づく信託で、信託財産を運用することによって得られた利益を受けることができる権利を表示した有価証券をいいます。
 貸付信託受益証券は、その証券を発行した信託銀行などが課税時期現在で買い取るとした場合の買取り価格が評価額となります。具体的な評価方法は、次の算式のとおりです。

元本の額+既経過収益の額−源泉所得税相当額−買取割引料=評価額

 上記算式中の「既経過収益の額」は、課税時期の属する収益計算期間の開始日から課税時期の前日までの期間における収益の分配金の額をいいます。
 なお、「買取割引料」については、発行した信託銀行などで確認してください。

文責:橋谷厚勇

未成年者の税額控除

【未成年者の税額控除】

1 未成年者の税額控除
 相続人が未成年者のときは、相続税の額から一定の金額を差し引きます。

2 未成年者控除が受けられる人
 未成年者控除が受けられるのは次のすべてに当てはまる人です。

(1) 相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所がある人
 又は、日本国内に住所がない人でも次のいずれにも当てはまる人

イ その人が、日本国籍を有している。

ロ その人又は被相続人が、相続開始前5年以内に日本国内に住所を有したことがある。

(2) 相続や遺贈で財産を取得したときに20歳未満である人

(3) 相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人)であること。

3 未成年者控除の額
 未成年者控除の額は、その未成年者が満20歳になるまでの年数1年につき6万円で計算した額です。
 また、年数の計算に当たり、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。

(例) その未成年者が15歳9か月の人ですと20歳になるまでは4年3か月あります。3か月を1年に切り上げますので、控除額を計算する年数は5年になります。したがって、控除額は6万円掛ける5年で30万円となります。

 なお、未成年者控除額が、その未成年者本人の相続税額より大きいため控除額の全額が引ききれないことがあります。この場合は、その引ききれない部分の金額をその未成年者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。
 また、その未成年者が今回の相続以前にも未成年者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。

(注) 扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者をいいます。


文責:丸本亜希子

夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除

1 特例の概要
 婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除110万円のほかに最高2,000万円まで控除(配偶者控除)できるという特例です。

2 特例を受けるための適用要件
(1) 夫婦の婚姻期間が20年を過ぎた後に贈与が行われたこと

(2) 配偶者から贈与された財産が、自分が住むための居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること

(3) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

(注) 配偶者控除は同じ配偶者からの贈与については一生に一度しか適用を受けることができません。

3 適用を受けるための手続
 次の書類を添付して、贈与税の申告をすることが必要です。

(1) 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本

(2) 財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の附票の写し

(3) 居住用不動産の登記事項証明書

(4) その居住用不動産に住んだ日以後に作成された住民票の写し
 ただし、戸籍の附票の写しに記載されている住所が居住用不動産の所在場所である場合には、住民票の写しの添付は不要です。

文責:今村 泰之

割引発行の公社債の評価

 割引発行の公社債とは、券面額を下回る価額で発行される債券です。券面額と発行価額との差額(償還差益)が利子に相当する部分に当たります。

(1) 上場されている割引公社債

市場価額を基とした評価額=最終価格/券面額×100円



(注1) 上記算式中の「最終価格」は、券面額100円当たりの金額です。

(注2) 上記算式中の「最終価格」は、売買参考統計値が公表される銘柄として選定されたものである場合には、最終価格と平均値とのいずれか低いほうの金額となります。

(2) 売買参考統計値が公表される銘柄として選定された割引公社債(上場されているもの及び割引金融債を除く。)

市場価額を基とした評価額=平均値/券面額×100円


(注) 上記算式中の「平均値」は、券面額100円当たりの金額です。

(3) その他の割引発行されている公社債

発行価額を基とした評価額=(発行価格+(券面額−発行価額)/発行日から償還期限までの日数×発行日から課税時期までの日数)/券面額×100円


(注) 上記算式中の「発行価額」は、券面額100円当たりの金額です。

文責:橋谷厚勇

贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)

【贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)】

相続などにより財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内(死亡の日からさかのぼって3年前の日から死亡の日までの間)に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産の贈与の時の価額を加算します。
 また、その加算された贈与財産の価額に対応する贈与税の額は、加算された人の相続税の計算上控除されることになります。
 加算される価額の基になる贈与財産の範囲と控除する贈与税額は次のとおりです。

1 加算する贈与財産の範囲
 被相続人から生前に贈与された財産のうち相続開始前3年以内に贈与されたものです。3年以内であれば贈与税がかかっていたかどうかに関係なく加算します。
 したがって、基礎控除額110万円以下の贈与財産や死亡した年に贈与されている財産の価額も加算することになります。

2 加算しない贈与財産の範囲
 被相続人から生前に贈与された財産であっても、非課税とされる直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち、贈与税の課税価格に算入されなかったもの及び贈与税の配偶者控除の特例を受けている又は受けようとする財産のうち、その配偶者控除額に相当する金額は、加算する必要のない財産に該当します。

3 控除する贈与税額
 控除する贈与税額は、相続税の課税価格に加算された贈与財産に係る贈与税の税額です。ただし、加算税や延滞税の額は含まれません。


文責:丸本亜希子

非上場株式等についての贈与税の納税猶予( 猶予税額の納付が免除される場合)

猶予税額の納付が免除される主な場合は次のとおりです。免除を受けるには「免除届出書」の提出が必要となります。

(1) 先代経営者である贈与者が死亡した場合
 この場合は、贈与税の納税猶予の特例を受けた非上場株式等を経営承継受贈者が相続又は遺贈により取得したものとみなして、贈与時の価額により他の相続財産と合算して相続税を計算します。その際、「経済産業大臣の確認」を受け、一定の要件を満たす場合には、その相続又は遺贈により取得したものとみなされた非上場株式等の一定部分について相続税の納税猶予の特例の適用を受けることができます。
(2) 先代経営者である贈与者の死亡前に経営承継受贈者が死亡した場合
8 猶予税額を納付することとなる場合
 猶予税額の納付が免除される前に、一定の場合に該当することとなったときは、猶予税額の全部又は一部について利子税(原則として年3.6%です。)と併せて納付する必要があります。
 一定の場合の主なものは、以下のとおりです。

(1) 申告期限後5年以内に、後継者が代表権を有しないこととなった場合
(2) 一定の基準日において常時使用する従業員の数が、贈与の時におけるその従業員数の80%を下回った場合
(3) 申告期限後5年以内に、後継者と後継者と特別の関係がある者(後継者の親族など一定の者)が保有する議決権数が総議決権数に占める割合が50%以下となった場合
(4) 申告期限後5年以内に、後継者と特別の関係がある者(後継者の親族など一定の者)のうちの1人が後継者を超える議決権数を保有することとなった場合
(5) 後継者が特例の適用を受けた非上場株式等を譲渡等した場合
(6) 特例の対象となっている会社が、解散した場合
(7) 総収入金額が零となった場合

文責:今村 泰之

利付公社債の評価

 利付公社債とは、券面に利札の付いている債券で、利払いは年間の一定期日に、その利札を切り取って行われます。

(1) 上場されている利付公社債

市場価額を基とした評価額=(最終価格+源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額)/券面額×100円

(注1) 上記算式中の「最終価格」「源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額」は、券面額100円当たりの金額です。

(注2) 上記算式中の「最終価格」は、売買参考統計値が公表される銘柄として選定されたものである場合には、最終価格と平均値とのいずれか低いほうの金額となります。

(2) 売買参考統計値が公表される銘柄として選定された利付公社債(上場されているものを除く。)

市場価額を基とした評価額=(平均値+源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額)/券面額×100円


(注) 上記算式中の「平均値」「源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額」は、券面額100円当たりの金額です。

(3) その他の利付公社債

発行価額を基とした評価額=(発行価格+源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額)/券面額×100円


(注) 上記算式中の「発行価額」「源泉所得税相当額控除後の既経過利息の額」は、券面額100円当たりの金額です。

 なお、個人向け国債は、課税時期において中途換金した場合に取扱機関から支払いを受けることができる価額により評価します。

文責:橋谷厚勇

配偶者の税額の軽減

【配偶者の税額の軽減】

1 制度の概要
 配偶者の税額の軽減とは、被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次の金額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。

(注) この制度の対象となる財産には、仮装又は隠ぺいされていた財産は含まれません。

(1) 1億6千万円

(2) 配偶者の法定相続分相当額

 この配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されることになっています。
 したがって、相続税の申告期限までに配偶者に分割されていない財産は税額軽減の対象になりません。
 ただし、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で、申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは、税額軽減の対象になります。
 なお、相続税の申告期限から3年を経過する日までに分割できないやむを得ない事情があり、税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の翌日から4か月以内に分割されたときも、税額軽減の対象になります。

2 配偶者の税額軽減を受けるための手続

(1) 税額軽減の明細を記載した相続税の申告書に戸籍謄本と遺言書の写しや遺産分割協議書の写しなど、配偶者の取得した財産がわかる書類を添えて提出してください。
 遺産分割協議書の写しには印鑑証明書も付けてください。

(2) 相続税の申告後に行われた遺産分割に基づいて配偶者の税額軽減を受ける場合は、分割が成立した日の翌日から4か月以内に更正の請求という手続をする必要があります。



文責:丸本亜希子

非上場株式等についての贈与税の納税猶予(手続き)

特例を受けるための手続

(1) 贈与税の申告書をその申告期限までに提出するとともに、その申告書に特例の適用を受ける非上場株式等の明細や納税猶予分の贈与税額の計算に関する明細など一定の事項を記載した書類を添付する必要があります。

(2) 上記(1)の申告書に納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に見合う担保を提供する必要があります。なお、特例の適用を受ける非上場株式等のすべてを担保として提供した場合には、納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に見合う担保の提供があったものとみなされます。

納税猶予期間中の手続き

 引き続きこの特例を受ける旨や特例の対象となる非上場株式等を発行している会社の経営に関する事項等を記載した「非上場株式等についての贈与税の納税猶予の継続届出書」を贈与税の申告期限後の5年間は毎年、5年経過後は3年ごとに所轄税務署へ提出する必要があります。

文責:今村 泰之

取引相場のない株式の評価

 取引相場のない株式(上場株式、登録銘柄、店頭管理銘柄及び公開途上にある株式以外の株式をいいます。)は、相続や贈与などで株式を取得した株主が、その株式を発行した会社の経営支配力を持っている同族株主か、それ以外の株主等かの区分により、それぞれ原則的評価方式又は特例的な評価方式の配当還元方式により評価します。

1 原則的評価方式
 原則的評価方式は、評価する株式を発行した会社を従業員数、総資産価額及び売上高により大会社、中会社又は小会社のいずれかに区分して、原則として次のような方法で評価をすることになっています。

(1) 大会社
 大会社は、原則として、類似業種比準方式により評価します。類似業種比準方式は、類似業種の株価を基に、評価する会社の一株当たりの配当金額、利益金額及び純資産価額の3つで比準して評価する方法です。
 なお、類似業種の業種目及び業種目別株価などは、国税庁ホームページで閲覧できます。

(2) 小会社
 小会社は、原則として、純資産価額方式によって評価します。純資産価額方式は、会社の総資産や負債を原則として相続税の評価に洗い替えて、その評価した総資産の価額から負債や評価差額に対する法人税額等相当額を差し引いた残りの金額により評価する方法です。

(3) 中会社
 中会社は、大会社と小会社の評価方法を併用して評価します。

2 特例的な評価方式
 取引相場のない株式は、原則として、以上のような方式により評価しますが、同族株主以外の株主等が取得した株式については、その株式の発行会社の規模にかかわらず原則的評価方式に代えて特例的な評価方式の配当還元方式で評価します。配当還元方式は、その株式を所有することによって受け取る一年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して元本である株式の価額を評価する方法です。

3 特定の評価会社の株式の評価
 次のような特定の評価会社の株式は、原則として、(1)〜(5)については純資産価額方式により、(6)については清算分配見込額により評価することになっています。
 なお、(1)〜(4)の会社の株式を取得した同族株主以外の株主等については、特例的な評価方式である配当還元方式により評価することもできます。

(1) 類似業種比準方式で評価する場合の3つの比準要素である配当金額、利益金額及び簿価純資産価額のうち直前期末の要素のいずれか2つがゼロであり、かつ、直前々期末の要素のいずれか2つ以上がゼロである会社(比準要素数1の会社)

(2) 総資産価額中に占める株式や出資の価額の合計額の割合が一定の割合以上の会社(株式保有特定会社)

(3) 総資産価額中に占める土地などの価額の合計額の割合が一定の割合以上の会社(土地保有特定会社)

(4) 課税時期において開業後の経過年数が3年未満の会社や、類似業種比準方式で評価する場合の3つの比準要素である配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の直前期末の要素がいずれもゼロである会社(開業後3年未満の会社等)

(5) 開業前又は休業中の会社

(6) 清算中の会社

 以上それぞれの評価方法に応じて、この取引相場のない株式の評価をするときには、「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」を使用していただければ比較的容易に株価の計算ができるようになっています。

文責:橋谷厚勇

相続人の中に養子がいるとき

【相続人の中に養子がいるとき】
[平成23年6月30日現在法令等]

1 相続税の計算をする場合、次の4項目については、法定相続人の数を基に行います。

(1)  相続税の基礎控除額

(2)  生命保険金の非課税限度額

(3)  死亡退職金の非課税限度額

(4)  相続税の総額の計算

2 これらの計算をするときの法定相続人の数に含める被相続人の養子の数は、一定数に制限されています。
  この法定相続人の数に含める養子の数の制限について説明します。

(1)  被相続人に実の子供がいる場合
  一人までです。

(2)  被相続人に実の子供がいない場合
  二人までです。

  ただし、養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合、その原因となる養子の数は、上記(1)又は(2)の養子の数に含めることはできません。

3 なお、次のいずれかに当てはまる人は、実の子供として取り扱われますので、すべて法定相続人の数に含まれます。

(1)  被相続人との特別養子縁組により被相続人の養子となっている人

(2)  被相続人の配偶者の実の子供で被相続人の養子となっている人

(3)  被相続人と配偶者の結婚前に特別養子縁組によりその配偶者の養子となっていた人で、被相続人と配偶者の結婚後に被相続人の養子となった人

(4)  被相続人の実の子供、養子又は直系卑属が既に死亡しているか、相続権を失ったため、その子供などに代わって相続人となった直系卑属。なお、直系卑属とは子供や孫のことです。


文責:丸本亜希子
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