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災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)

【災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)】

1 制度の概要
 災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを雑損控除といいます。

2 雑損控除の対象になる資産の要件
 損害を受けた資産が次のいずれにも当てはまること。

(1) 資産の所有者が次のいずれかであること。

イ 納税者

ロ 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下の者。

(2) 生活に通常必要な住宅、家具、衣類などの資産であること。
(事業用の資産や別荘、書画、骨とう、貴金属等で1個又は1組の価額が30万円を超えるものなどは当てはまりません。)

3 損害の原因
 次のいずれかの場合に限られます。

(1) 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害

(2) 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害

(3) 害虫などの生物による異常な災害

(4) 盗難

(5) 横領

なお、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。

4 雑損控除として控除できる金額
 次の二つのうちいずれか多い方の金額です。

(1) (差引損失額)-(総所得金額等)×10%

(2) (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

(注) 損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます。
なお、雑損控除は他の所得控除に先だって控除することとなっています。

5 差引損失額の計算のしかた

  差引損失額ー損害金額+災害関連支出の金額-保険金などにより補填される金額


(注)
 1 「損害金額」とは、損害を受けた時の直前におけるその資産の時価を基にして計算した損害     の額です。

 2 「災害関連支出の金額」とは、災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために   支出した金額などです。

 3 「保険金などにより補てんされる金額」とは、災害などに関して受け取った保険金や損害賠償金   などの金額です。

 4 東日本大震災により被害を受けた住宅や家財、車両の損失額の「合理的な計算方法」は、こちら   をご覧ください。

6 雑損控除を受けるための手続
 確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、災害関連支出の金額の領収を証する書類を添付するか、提示してください。
 給与所得のある方は、このほかに給与所得の源泉徴収票(原本)を申告書に添付してください。

(注) 雑損控除とは別に、その年の所得金額の合計額が1000万円以下の人が災害にあった場合は、災害減免法による所得税の軽減免除があり、納税者の選択によりどちらか有利な方法を選べます。

住民税も同様の控除を受けることが出来ます。

文責:丸本亜希子

地区の異なる2以上の路線に接する宅地の評価

 地区の異なる2以上の路線に接する宅地の価額は、正面路線の地区の奥行価格補正率を適用して評価します。

 また、側方路線影響加算額についても正面路線の地区の奥行価格補正率及び側方路線影響加算率を適用します。

 なお、借地権の価額を評価する場合において、接する各路線の借地権割合が異なるときには、正面路線の借地

権割合を適用して評価します。

(評基通15、16、20-5(注)3なお書)

文責:今村 泰之

相続税がかかる財産

相続税は原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。この場合の財産とは、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。
  なお、次に掲げる財産も相続税の課税対象となります。

(1)  相続や遺贈によって取得したものとみなされる財産
  死亡退職金、被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金などが、これに相当します。

(2)  被相続人から死亡前3年以内に贈与により取得した財産
  相続や遺贈で財産を取得した人が、被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合には、原則としてその財産の贈与された時の価額を相続財産の価額に加算します。

(3)  相続時精算課税の適用を受ける贈与財産
  被相続人から、生前、相続時精算課税の適用を受ける財産を贈与により取得した場合には、その贈与財産の価額(贈与時の価額)を相続財産の価額に加算します。

文責:橋谷厚勇

退職金を受け取ったとき(退職所得)

【退職金を受け取ったとき(退職所得)】

1 退職所得とは
 退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得をいい、社会保険制度などにより退職に基因して支給される一時金、適格退職年金契約に基づいて生命保険会社又は信託会社から受ける退職一時金なども退職所得とみなされます。
 また、労働基準法第20条の規定により支払われる解雇予告手当や賃金の支払の確保等に関する法律第7条の規定により退職した労働者が弁済を受ける未払賃金も退職所得に該当します。

2 所得の計算方法
 退職所得の金額は、次のように計算します。
(収入金額(源泉徴収される前の金額)−退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額

 なお、適格退職年金契約に基づいて支給される退職一時金などについて、従業員自身が負担した保険料又は掛金がある場合には、その支給額から従業員が負担した保険料又は掛金の金額を差し引いた残額を退職所得の収入金額とします。

(注) 役員等勤続年数が5年以下である人が支払いを受ける退職金のうち、その役員等勤続年数に対応する退職金として支払を受けるものについては、平成25年分以後は退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額が退職所得の金額になります。

3 退職所得控除額の計算方法
 退職所得控除額は、次のように計算します。

退職所得控除額の計算の表 勤続年数(=A) 退職所得控除額
    20年以下             40万円×A
(80万円に満たない場合には、80万円)
    20年超              800万円+70万円×(A-20年)

(注)
1 障害者になったことが直接の原因で退職した場合の退職所得控除額は、上記の方法により計算した額に、100万円を加えた金額となります。
2 前年以前に退職所得を受け取ったことがあるとき又は同一年中に2か所以上から退職金を受け取るときなどは、控除額の計算が異なることがあります。

(例)1 勤続年数が10年2ヶ月の人の場合の退職所得控除額
  勤続年数は11年になります。
  (端数の2ヶ月は1年に切上げ)
  40万円×(勤続年数)=40万円×11年=440万円
2 勤続年数が30年の人の場合の退職所得控除額
  800万円+70万円×(勤続年数-20年)=800万円+70万円×10年=1,500万円

4 税額の計算方法
 退職所得は、原則として他の所得と分離して所得税額を計算します。
 なお、退職手当等の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人については、退職手当等の支払者が所得税額を計算し、その退職手当等の支払の際、正規の所得税の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。
 一方、「退職所得の受給に関する申告書」の提出がなかった人については、退職手当等の支払金額の20%が源泉徴収されますが、退職所得の受給者本人が確定申告を行うことにより所得税額の精算をします。

【住民税の場合】

 退職所得の計算は所得税に準じます。
 また、通常では住民税は翌年に課税されますが、退職金は「分離課税」(他の所得と
 区分して)となるため、支給時に課税されます。
 
 住民税の税額は
 県民税  退職所得金額×0.9×4%=***
 市民税  退職所得金額×0.9×6%=***
 となり、退職金を支払う事業所等が特別徴収にて支給金額から控除して、
 納付します。

文責:丸本亜希子

外貨(現金)の邦貨換算

 相続税や贈与税を計算する場合の外貨は、円貨に換算する必要があります。
 この場合の円貨への換算は、課税時期(相続の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)現在における納税者の取引金融機関が公表する対顧客直物電信買相場(TTB)又はこれに準ずる相場により行います。
 対顧客直物電信買相場とは、金融機関が顧客から外貨を買って円貨を支払う場合(顧客側にとっては外貨を円貨に交換する場合)の相場をいいます。課税時期にその相場がない場合には、課税時期前の相場のうち、課税時期に最も近い日の相場によります。
 例えば、10,000米ドルを相続した場合で、相続開始の日の相続人の取引金融機関が公表する対顧客直物電信買相場が1米ドル当たり82円であった場合には、820,000円で邦貨換算されることになります。

(評基通4-3)

文責:今村 泰之

相続税の物納

 制度の概要
 国税は、金銭で納付することが原則ですが、相続税については、延納によっても金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、納税者の申請により、その納付を困難とする金額を限度として一定の相続財産による物納が認められています。

(注) 財産の生前贈与を受けて相続時精算課税又は非上場株式の納税猶予を適用している場合には、それらの適用対象となっている財産は、贈与者の死亡によりその贈与者から受贈者が相続により取得したとみなされることとなっていますが、それらの財産は物納の対象とすることはできません。

2 物納の要件
 次に掲げるすべての要件を満たしている場合に、物納の許可を受けることができます。

(1) 延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること。

(2) 物納申請財産は、納付すべき相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、次に掲げる財産及び順位で、その所在が日本国内にあること。

 第1順位 国債、地方債、不動産、船舶

 第2順位 社債(特別の法律により法人の発行する債券を含みますが、短期社債等は除かれます。)、株式(特別の法律により法人の発行する出資証券を含みます。)、証券投資信託又は貸付信託の受益証券

 第3順位 動産

(注)

1 後順位の財産は、税務署長が特別の事情があると認める場合及び先順位の財産に適当な価額のものがない場合に限って物納に充てることができます。

2 特定登録美術品(美術品の美術館における公開の促進に関する法律第2条第3号に規定する登録美術品で相続開始の時において既に登録を受けているものをいいます。)については、上記の順序にかかわらず一定の書類を提出することにより物納に充てることができます。

(3) 物納に充てることができる財産は、管理処分不適格財産に該当しないものであること及び物納劣後財産に該当する場合には、他に物納に充てるべき適当な財産がないこと。

(注)自然公園法の国立公園特別保護地区等内の土地(平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に環境大臣と風景地保護協定を締結していることその他一定の要件を満たすものに限ります。)は、物納劣後財産に該当する場合であっても、これを物納劣後財産に該当しないものとみなします。

(4) 物納しようとする相続税の納期限又は納付すべき日(物納申請期限)までに、物納申請書に物納手続関係書類を添付して税務署長に提出すること。

3 管理処分不適格財産及び物納劣後財産
(1) 管理処分不適格財産
 次に掲げるような財産は、物納に不適格な財産となります。

イ 不動産

(イ) 担保権が設定されていることその他これに準ずる事情がある不動産

(ロ) 権利の帰属について争いがある不動産

(ハ) 境界が明らかでない土地

(ニ) 隣接する不動産の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の使用ができないと見込まれる不動産

(ホ) 他の土地に囲まれて公道に通じない土地で民法第210条の規定による通行権の内容が明確でないもの

(ヘ) 借地権の目的となっている土地で、その借地権を有する者が不明であることその他これに類する事情があるもの

(ト) 他の不動産(他の不動産の上に存する権利を含みます。)と社会通念上一体として利用されている不動産若しくは利用されるべき不動産又は二以上の者の共有に属する不動産

(チ) 耐用年数(所得税法の規定に基づいて定められている耐用年数をいいます。)を経過している建物(通常の使用ができるものを除きます。)

(リ) 敷金の返還に係る債務その他の債務を国が負担することとなる不動産

(ヌ) その管理又は処分を行うために要する費用の額がその収納価額と比較して過大となると見込まれる不動産

(ル) 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある目的に使用されている不動産その他社会通念上適切でないと認められる目的に使用されている不動産

(ヲ) 引渡しに際して通常必要とされる行為がされていない不動産

ロ 株式

(イ) 譲渡に関して金融商品取引法その他の法令の規定により一定の手続が定められている株式で、その手続がとられていないもの

(ロ) 譲渡制限株式

(ハ) 質権その他の担保権の目的となっているもの

(ニ) 権利の帰属について争いがあるもの

(ホ) 共有に属するもの(共有者全員がその株式について物納の許可を申請する場合を除きます。)

ハ 上記以外の財産
 その財産の性質が上記の財産に準ずるものとして税務署長が認めるもの

(2) 物納劣後財産
 次に掲げるような財産は、他に物納に充てるべき適当な財産がない場合に限り物納に充てることができます。

イ 地上権、永小作権若しくは耕作を目的とする賃借権、地役権又は入会権が設定されている土地

ロ 法令の規定に違反して建築された建物及びその敷地

ハ 土地区画整理法による土地区画整理事業等の施行に係る土地につき仮換地又は一時利用地の指定がされていない土地(その指定後において使用又は収益をすることができない土地を含みます。)

ニ 現に納税義務者の居住の用又は事業の用に供されている建物及びその敷地(納税義務者がその建物及び敷地について物納の許可を申請する場合を除きます。)

ホ 劇場、工場、浴場その他の維持又は管理に特殊技能を要する建物及びこれらの敷地

ヘ 建築基準法第43条第1項に規定する道路に2メートル以上接していない土地

ト 都市計画法の規定による都道府県知事の許可を受けなければならない開発行為をする場合において、その開発行為が開発許可の基準に適合しないときにおけるその開発行為に係る土地

チ 都市計画法に規定する市街化区域以外の区域にある土地(宅地として造成することができるものを除きます。)

リ 農業振興地域の整備に関する法律の農業振興地域整備計画において農用地区域として定められた区域内の土地

ヌ 森林法の規定により保安林として指定された区域内の土地

ル 法令の規定により建物の建築をすることができない土地(建物の建築をすることができる面積が著しく狭くなる土地を含みます。)

ヲ 過去に生じた事件又は事故その他の事情により、正常な取引が行われないおそれがある不動産及びこれに隣接する不動産

ワ 事業の休止(一時的な休止を除きます。)をしている法人に係る株式

4 物納手続関係書類の提出期限
 納期限又は納付すべき日(物納申請期限)までに物納申請書に物納手続関係書類を添付して提出する必要があります。ただし、物納申請期限までに物納手続関係書類を提出することができない場合は、物納手続関係書類提出期限延長届出書を提出することにより、1回につき3ヶ月を限度として、最長で1年まで物納手続関係書類の提出期限を延長することができます。

5 物納の許可までの審査期間
 物納申請書が提出された場合、税務署長は、その物納申請に係る要件の調査結果に基づいて、物納申請期限から3か月以内に許可又は却下を行います。
 なお、申請財産の状況によっては、許可又は却下までの期間を最長で9か月まで延長する場合があります。

6 物納財産の価額(収納価額)
 物納財産を国が収納するときの価額は、原則として相続税の課税価格計算の基礎となったその財産の価額になります。
 なお、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けた相続財産を物納する場合の収納価額は、特例適用後の価額となります。

7 物納の再申請
 物納申請した財産が管理処分不適格と判断された場合には、物納申請が却下されますが、その却下された財産に代えて1回に限り、他の財産による物納の再申請を行うことができます。
 なお、延納により金銭で納付することを困難とする事由がないことを理由として物納申請の却下があった場合には、物納から延納へ変更することができます。

8 条件付許可
 汚染物質除去の履行義務などの条件を付されて物納の許可を受けた後に、許可財産に土壌汚染などの瑕疵があることが判明した場合には、汚染の除去などの措置を求められることとなります。
 なお、物納許可後5年以内に上記の措置を求められ、その措置ができない場合には、物納許可が取り消されることがありますのでご注意ください。

9 利子税の納付
 物納申請をした場合には、物納財産を納付するまでの期間に応じ、利子税の納付が必要となります。ただし、税務署の手続に要する期間は利子税が免除されます。

10 特定物納制度(延納から物納への変更)
 延納の許可を受けた相続税額について、その後に延納条件を履行することが困難となった場合には、申告期限から10年以内に限り、分納期限が未到来の税額部分について、延納から物納への変更を行うことができます。
 特定物納申請をした場合には、物納財産を納付するまでの期間に応じ、当初の延納条件による利子税を納付することとなります。
 なお、特定物納に係る財産の収納価額は、特定物納申請の時の価額となります。

※ 上記については、平成18年4月1日以後の相続開始により財産を取得した場合に適用されます。
 なお、平成18年3月31日以前の相続開始により財産を取得した場合には、改正前の相続税法が適用されることから、上記の物納劣後財産の取扱い、物納手続関係書類の提出期限、物納の許可までの審査期間、物納の再申請、条件付許可、利子税の納付及び特定物納制度の適用はありません。


文責:橋谷厚勇

還付申告

【還付申告】

1 還付申告とは
 確定申告書を提出する義務のない人でも、給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。この申告を還付申告といいます。還付申告ができる期間は、その年の翌年の1月1日から5年間です(確定申告義務のある人は異なります)。

2 還付申告の具体例
 給与所得者は、次のような場合には、原則として還付申告をすることができます。

(1) 年の途中で退職し、年末調整を受けずに源泉徴収税額が納め過ぎとなっているとき
(2) 一定の要件のマイホームの取得などをして、住宅ローンがあるとき
(3) マイホームに特定の改修工事をしたとき
(4) 認定長期優良住宅に当てはまるマイホームの取得などをしたとき
(5) 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき
(6) 特定支出控除の適用を受けるとき
(7) 多額の医療費を支出したとき
(8) 特定の寄附をしたとき
(9) 平成21年分以後の年分において、上場株式等に係る譲渡損失の金額を申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得の金額から控除したとき
3 還付申告の対象とならない所得の具体例
 次に掲げる所得については、確定申告によって所得税の還付を受けることはできません。

(1) 源泉分離課税とされる預貯金や公社債の利子

(2) 源泉分離課税とされる抵当証券などの金融類似商品の収益

(3) 源泉分離課税とされる一定の割引債の償還差益

(4) 源泉分離課税とされる一時払養老保険の差益(保険期間等が5年以下のもの及び保険期間等が5年超で5年以内に解約されたもの)

税務署に確定申告書を提出すると、その申告データが住民税にも回るため、
住民税の申告をしたものとみなされます。
ただし、所得税はかからないけど、住民税がかかる場合は、所得税の確定申告を
しないので、住民税の申告が必要な場合があります。

文責:丸本亜希子

生命保険契約に関する権利の評価

1   相続開始の時において、まだ保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利の価額は、相続開始の時においてその契約を解約するとした場合に支払われることとなる解約返戻金の額によって評価します。
 なお、解約返戻金のほかに支払われることとなる前納保険料の金額、剰余金の分配額等がある場合にはこれらの金額を加算し、解約返戻金の額につき源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額がある場合には、その金額を差し引いた金額により生命保険契約に関する権利の価額を評価することとなります。

(注1) 生命保険契約には、これに類する共済契約で一定のものが含まれます。

(注2) いわゆる掛け捨てで解約返戻金のないものは評価しません。

2  解約返戻金相当額がわからないときは、契約先である生命保険会社などに照会し、確認してください。
 なお、生命保険会社などへ照会する場合には、あらかじめ時間的な余裕をもって照会する必要があります。

(評基通214)

文責:今村 泰之

相続時精算課税の選択

1 制度の概要
  贈与税の課税制度には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合には、相続時精算課税を選択することができます。この制度は、贈与時に贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより贈与税・相続税を通じた納税を行うものです。

2 適用対象者
  贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子(子が亡くなっているときには20歳以上の孫を含みます。)とされています(年齢は贈与の年の1月1日現在のもの)。

3 適用対象財産等
  贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はありません。

4 税額の計算
(1)  贈与税額の計算
  相続時精算課税の適用を受ける贈与財産については、その選択をした年以後、相続時精算課税に係る贈与者以外の者からの贈与財産と区分して、その贈与者(親)から1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額を基に贈与税額を計算します。
  その贈与税の額は、贈与財産の価額の合計額から、複数年にわたり利用できる特別控除額(限度額:2,500万円。ただし、前年以前において、既にこの特別控除額を控除している場合は、残額が限度額となります。)を控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じて算出します。
  なお、相続時精算課税を選択した受贈者(子)が、相続時精算課税に係る贈与者以外の者から贈与を受けた財産については、その贈与財産の価額の合計額から暦年課税の基礎控除額110万円を控除し、贈与税の税率を適用し贈与税額を計算します。

(注) 相続時精算課税に係る贈与税額を計算する際には、暦年課税の基礎控除額110万円を控除することはできませんので、贈与を受けた財産が110万円以下であっても贈与税の申告をする必要があります。

(2)  相続税額の計算
  相続時精算課税を選択した者に係る相続税額は、相続時精算課税に係る贈与者が亡くなった時に、それまでに贈与を受けた相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額と相続や遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。
  その際、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額については、相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。
  なお、相続財産と合算する贈与財産の価額は、贈与時の価額とされています。

5 適用手続
  相続時精算課税を選択しようとする受贈者(子)は、その選択に係る最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間(贈与税の申告書の提出期間)に納税地の所轄税務署長に対して「相続時精算課税選択届出書」を受贈者の戸籍の謄本などの一定の書類とともに贈与税の申告書に添付して提出することとされています。
  相続時精算課税は、受贈者である子それぞれが贈与者である父、母ごとに選択できますが、いったん選択すると選択した年以後贈与者が亡くなった時まで継続して適用され、暦年課税に変更することはできません。

文責:橋谷厚勇

配偶者特別控除

【配偶者特別控除】

1 配偶者特別控除の概要
 配偶者に38万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります。これを配偶者特別控除といいます。
 なお、配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできません。

2 配偶者特別控除を受けるための要件
(1) 控除を受ける人のその年における合計所得金額が1千万円以下であること。

(2) 配偶者が、次の五つのすべてに当てはまること。

イ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。

ロ 納税者と生計を一にしていること。

ハ 青色申告者の事業専従者としてその年を通じ一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

ニ ほかの人の扶養親族となっていないこと。

ホ 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満であること。

3 配偶者特別控除の控除額
 配偶者特別控除の控除額は最高で38万円ですが、
 配偶者の合計所得金額に応じて控除額は、次の表のようになります。

配偶者の合計所得金額      配偶者特別控除の控除額
38万円を超え40万円未満        38万円
40万円以上45万円未満         36万円
45万円以上50万円未満         31万円
50万円以上55万円未満         26万円
55万円以上60万円未満         21万円
60万円以上65万円未満         16万円
65万円以上70万円未満         11万円
70万円以上75万円未満          6万円
75万円以上76万円未満          3万円
76万円以上                0円

4 配偶者特別控除を受けるための手続
 給与所得者の場合、配偶者特別控除は年末調整で受けることができますので、「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」を勤務先に提出してください。


さて、住民税にも「配偶者特別控除」はあります。
所得税と住民税では基礎控除が違うので、やはり控除額も若干少なくなります。

文責:丸本亜希子

ゴルフ会員権の評価 その2

 取引相場のない会員権

(1) 株主でなければゴルフクラブの会員(以下「会員」といいます。)となれない会員権
 財産評価基本通達の定めにより評価した課税時期における株式としての価額に相当する金額によって評価します。

(2) 株主であり、かつ、預託金等を預託しなければ会員となれない会員権
 その会員権について、株式と預託金等に区分して、それぞれ次に掲げる金額の合計額によって評価します。

イ 株式の価額
 2の(1)に掲げた方法を適用して計算した金額

ロ 預託金等
 1の(1)又は(2)に掲げた方法を適用して計算した金額

(3) 預託金等を預託しなければ会員となれない会員権
 1の(1)又は(2)に掲げた方法を適用して計算した金額によって評価します。

(評基通4−4、211)

文責:今村 泰之

交通事故の損害金

交通事故の加害者から遺族が損害賠償金を受けたときの相続税の取扱いは次のとおりです。
被害者が死亡したことに対して支払われる損害賠償金は相続税の対象とはなりません。
 この損害賠償金は遺族の所得になりますが、所得税法上非課税規定がありますので、税金はかかりません。
 損害賠償金には慰謝料や逸失利益の補償金などがあります。逸失利益の補償金とは、もしその人が生きていれば得ることができる所得の補償金のことです。
 なお、被相続人が損害賠償金を受け取ることに生存中決まっていたが、受け取らないうちに死亡してしまった場合には、その損害賠償金を受け取る権利すなわち債権が相続財産となり、相続税の対象となります。

文責:橋谷厚勇

配偶者控除

【配偶者控除】

1 制度の概要
 納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを配偶者控除といいます。

2 控除対象配偶者の要件
 控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。

(2) 納税者と生計を一にしていること。

(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。

(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

3 配偶者控除額
 控除額は、控除対象配偶者の年齢により次の表のようになっています。

控除額
一般の控除対象配偶者 38万円
老人控除対象配偶者(※) 48万円

※ 老人控除対象配偶者とは、控除対象配偶者のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人をいいます。
 なお、配偶者が障害者の場合には、配偶者控除の他に障害者控除27万円(特別障害者の場合は40万円、同居特別障害者の場合は75万円(注))が控除できます。

(注) 平成23年分の所得税から、控除対象配偶者又は扶養親族が同居の特別障害者である場合において、配偶者控除又は扶養控除の額に35万円を加算する措置に代えて、同居特別障害者に対する障害者控除の額が40万円から75万円に引き上げられました。

4 その他
 配偶者控除の適用がない方で、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下の場合で、かつ、配偶者の合計所得金額が38万円超76万円未満である方については、配偶者特別控除が適用されます。配偶者特別控除額は最高で、38万円ですが、配偶者の合計所得金額が増えると控除額が少なくなっていきます。

ここで住民税について、住民税はこの控除額が違います。
配偶者控除は33万円となるため、配偶者がパートなどで収入があるときは、
収入金額(税込)-65万円=33万円以下でなければ、住民税がかかってしまいます。
よって、65万円+33万円=98万円以下の収入金額であれば、住民税はかからないことに
なります。(他に収入がない場合)

文責:丸本亜希子

ゴルフ会員権の評価

 相続税や贈与税を計算するときのゴルフ会員権(以下「会員権」といいます。)の評価方法は次のとおりです。
 なお、株式の所有を必要とせず、かつ、譲渡できない会員権で、返還を受けることができる預託金等(以下「預託金等」といいます。)がなく、ゴルフ場施設を利用して、単にプレーができるだけのものについては評価しません。

 取引相場のある会員権

 課税時期(相続の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)の取引価格の70%に相当する金額によって評価します。
 この場合において、取引価格に含まれない預託金等があるときは、次に掲げる金額との合計額によって評価します。

(1) 課税時期において直ちに返還を受けることができる預託金等
 ゴルフクラブの規約などに基づいて課税時期において返還を受けることができる金額

(2) 課税時期から一定の期間を経過した後に返還を受けることができる預託金等
 ゴルフクラブの規約などに基づいて返還を受けることができる金額の課税時期から返還を受けることができる日までの期間(その期間が1年未満であるとき又はその期間に1年未満の端数があるときは、これを1年とします。)に応ずる基準年利率による複利現価の額

文責:今村 泰之

非上場株式等についての相続税の納税猶予

1 制度のあらまし
後継者である相続人等(「経営承継相続人等」といいます。)が、相続等により、経済産業大臣の認定を受ける非上場会社の株式等を先代経営者である被相続人から取得し、その会社を経営していく場合には、その経営承継相続人等が納付すべき相続税のうち、その非上場株式等(一定の部分に限ります。)に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税が猶予されます。

この猶予された税額は、経営承継相続人等が死亡した場合などは納付が免除されます。なお、免除されるときまでに特例の適用を受けた非上場株式等を譲渡するなど一定の場合には、猶予されている税額の全部又は一部を利子税と併せて納付する必要があります。

(注) この特例は、平成20年10月1日以降に相続等により取得した非上場会社の株式等について適用されます。

2 特例を受けるための要件
被相続人の相続開始前に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づき、会社が計画的な事業承継に係る取組を行っていることについて、「経済産業大臣の確認」を受けておく必要があります。また、相続開始後にこの法律に基づき、会社の要件、先代経営者(被相続人)の要件及び経営承継相続人等の要件を満たしていることについての「経済産業大臣の認定」を受ける必要があります。

※1 「経済産業大臣の確認」は、一定の場合には不要となります。
2 会社が「経済産業大臣の確認」及び「経済産業大臣の認定」を受けるための具体的な要件、手続については、最寄りの地方経済産業局にお尋ねください。

(1) 会社の主な要件
イ 経済産業大臣の確認及び認定を受けた中小企業者であること
ロ 常時使用する従業員が1人以上(一定の外国会社株式等を保有している場合には5人以上)であること
ハ 資産保有型会社又は資産運用型会社で一定のものに該当しないこと
ニ この会社の株式等及び特別関係会社(注)のうちこの会社と密接な関係がある一定の会社(以下「特定特別関係会社」といいます。)の株式等が非上場株式等であること
ホ この会社及び特定特別関係会社が風俗営業会社ではないこと
ヘ この会社の特定特別関係会社が中小企業者であること
ト 相続の開始の日の属する事業年度の直前の事業年度(相続の開始の日が事業年度の末日である場合には、その事業年度及びその直前の事業年度)の総収入金額が零ではないこと
チ 経営承継相続人等以外の者が会社法第108条第1項第8号に規定する種類の株式(拒否権付き株式)を有していないこと
リ 相続の開始前3年以内に受けた現物出資等資産の割合が総資産の70%未満であること
(注) 「特別関係会社」とは、この会社と租税特別措置法施行令第40条の8の2第8項で定める特別の関係のある会社をいいます。

(2) 先代経営者である被相続人の主な要件
イ 会社の代表権(制限が加えられた代表権を除きます。)を有していたこと
ロ 相続の開始直前において、被相続人及び被相続人と特別の関係がある者(被相続人の親族など一定の者)で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、被相続人が保有する議決権数が経営承継相続人等を除いたこれらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと

(3)  経営承継相続人等の主な要件
イ 被相続人の親族であること
ロ 相続開始の直前に役員であったこと
ハ 相続開始の日の翌日から5か月を経過する日において会社の代表権(制限が加えられた代表権を除きます。)を有していたこと
ニ 相続人及び相続人と特別の関係がある者(相続人の親族など一定の者)で総議決権数の50%超の議決権数を保有し、かつ、これらの者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること
ホ 経済産業大臣の確認を受けた会社の、その確認に係る特定後継者であること
ヘ 相続税の申告期限まで特例の適用を受ける非上場株式等の全てを保有していること
3 特例の対象となる非上場株式等の数
特例の対象となる非上場株式等の数は、次のA、B、Cの数を基に(1)又は(2)の区分の場合に応じた数が限度となります。
 「A」・・・経営承継相続人等が相続等により取得した非上場株式等の数
 「B」・・・経営承継相続人等が相続開始前から保有する非上場株式等の数
 「C」・・・相続開始時の発行済株式等の総数

(1) A+B<C×2/3 の場合  A
(2) A+B≧C×2/3 の場合  C×2/3−B
4 納税が猶予される相続税の額
次の(1)から(2)を差し引いた税額が納税を猶予されます。(1)及び(2)の税額を計算する場合の経営承継相続人等以外の者の取得した財産は、実際に経営承継相続人等以外の者が相続等により取得した財産によります。

(1) 経営承継相続人等が取得した財産が特例の適用を受ける非上場株式等のみであると仮定した場合に算出される経営承継相続人等の相続税額
(2) 経営承継相続人等が取得した財産が特例の適用を受ける非上場株式等の20%のみであると仮定した場合に算出される経営承継相続人等の相続税額
(注) その非上場株式等を発行する会社及びその会社と特別の関係のある一定の会社が、一定の外国会社又は医療法人の株式等を有する場合には、納税が猶予される税額の計算の基となる非上場株式等の価額は、その外国会社又は医療法人の株式等を有していなかったものとして計算した金額となります。

5 特例を受けるための手続
(1) この特例を受ける旨を記載した相続税の申告書をその申告期限までに提出するとともに、その申告書に特例の適用要件を確認するための一定の書類を添付する必要があります。
(2) 上記(1)の申告書の提出期限までに納税が猶予される相続税額及び利子税の額に見合う担保を提供する必要があります。なお、特例の適用を受ける非上場株式等のすべてを担保として提供した場合には、納税が猶予される相続税額及び利子税の額に見合う担保の提供があったものとみなされます。
6 納税猶予期間中の手続
 引き続きこの特例の適用を受ける旨や特例の対象となる非上場株式等に係る会社の経営等に関する事項を記載した「非上場株式等についての相続税の納税猶予の継続届出書」を相続税の申告期限後の5年間は毎年、5年経過後は3年ごとに所轄税務署に提出する必要があります。
 なお、継続届出書の提出がない場合には、原則として、この特例の適用が打ち切られ、納税猶予税額と利子税を納付しなければなりません。

7 猶予税額の納付が免除される場合
 次に掲げる場合などに該当したときには、猶予税額の全部又は一部の納付が免除されます。

(1) 経営承継相続人等が死亡した場合
 この場合、死亡があった日から同日以後6か月を経過する日までに「免除届出書(死亡免除)」を先代経営者の相続税の納税地を所轄する税務署長に提出する必要があります。
(2) 申告期限後5年を経過した後に、特例の適用を受けた非上場株式等を一定の親族に贈与し、その親族が「非上場株式等についての贈与税の納税猶予」の適用を受ける場合

(3) 申告期限後5年を経過した後に、次に掲げるいずれかに該当した場合
 この場合、一定の免除事由に該当することとなった日から2か月を経過する日までに「免除申請書」を先代経営者の相続税の納税地を所轄する税務署長に提出する必要があります。
イ 経営承継相続人等が特例の適用を受けた非上場株式に係る会社の株式等の全部を譲渡又は贈与(以下「譲渡等」といいます。)した場合(その経営承継相続人等の同族関係者(経営承継相続人等の親族など一定の者)以外の一定の者に対して行う場合や民事再生法又は会社更生法の規定による許可を受けた計画に基づき株式等を消却するために行う場合に限ります。)
ロ 特例の適用を受けた非上場株式等に係る会社について破産手続開始の決定又は特別清算開始の命令があった場合
ハ 特例の適用を受けた非上場株式等に係る会社が合併により消滅した場合で一定の場合
ニ 特例の適用を受けた非上場株式等に係る会社が株式交換等により他の会社の株式交換完全子会社等となった場合で一定の場合
8 猶予税額を納付することとなる場合
猶予税額の納付が免除される前に、次に掲げる場合などに該当することとなったときは、猶予税額の全部又は一部について利子税(原則として年3.6パーセントです。)と合わせて納付する必要があります。

(1) 申告期限後5年以内に、経営承継相続人等が代表権を有しないこととなった場合
(2) 申告期限後5年以内の一定の基準日において、常時使用する従業員の数が相続開始時の数の8割を下回った場合
(3) 申告期限後5年以内に、経営承継相続人等及び経営承継相続人等と特別の関係がある者(経営承継相続人等の親族など一定の者)が保有する議決権数の合計が、総議決権数の50パーセント以下となった場合
(4) 申告期限後5年以内に、経営承継相続人等と特別の関係がある者のうちの1人が、経営承継相続人等を超える議決権数を有することとなった場合
(5) 経営承継相続人等が特例の適用を受けた非上場株式等の全部又は一部を譲渡等した場合
(6) 特例の対象となっている会社が解散をした場合又は解散をしたとみなされた場合
(7) 特例の対象となっている会社が資産保有型会社又は資産運用型会社で一定のものに該当することとなった場合
(8) 特例の対象となっている会社の事業年度における総収入金額が零となった場合

文責:橋谷厚勇

配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか

そろそろ年末調整の時期となります。

そこで気になるのは、奥様等に収入があって、配偶者控除ができるかどうかですよね。

【配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか】

 配偶者に所得があっても、配偶者の年間の合計所得金額が38万円以下であれば配偶者控除が受けられます。

1 配偶者の所得が給与所得だけの場合
 その年の給与収入が103万円以下であれば、給与所得控除額65万円を差し引くと、合計所得金額が38万円以下となり、配偶者控除が受けられます。

(例) 給与収入が95万円の場合

給与所得=給与収入-給与所得控除=95万円-65万円=30万円

この場合、合計所得金額は38万円以下ですから、配偶者控除が受けられます。

2 配偶者に給与所得以外の所得がある場合
 給与所得以外に、不動産所得、一時所得、譲渡所得などがある場合でも年間の合計所得金額が38万円以下であれば、配偶者控除が受けられます。

(例)給与収入80万円、不動産所得10万円の場合

給与所得=給与収入-給与所得控除=80万円-65万円=15万円
合計所得金額=給与所得の金額+不動産所得の金額=15万円+10万円=25万円

この場合、合計所得金額は38万円以下ですから、配偶者控除が受けられます。

(注) 次のものは配偶者控除が受けられるかどうかを判定するときの合計所得金額から除かれます。

(1) 上場株式等の配当や少額配当などで確定申告をしないことを選択したもの

(2) 特定口座の源泉徴収選択口座内の株式等の譲渡による所得で、確定申告をしないことを選択したもの

(3) 源泉分離課税とされる預貯金や公社債の利子など

(4) 源泉分離課税とされる抵当証券などの金融類似商品の収益

(5) 源泉分離課税とされる一定の割引債の償還差益

(6) 源泉分離課税とされる一時払養老保険の差益(保険期間等が5年以下のもの及び保険期間等が5年超で5年以内に解約されたもの)

3 その他
 配偶者控除とは別に配偶者特別控除があります。配偶者特別控除は、納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下の場合で、かつ、配偶者の合計所得金額が38万円超76万円未満の場合に、配偶者の所得金額に応じて認められるものです。


文責:丸本亜希子

証券投資信託受益証券の評価

 証券投資信託受益証券とは、投資信託及び投資法人に関する法律の規定に基づく証券投資信託で、投資信託会社が投資家から集めた資金を株などの有価証券に投資し、その運用によって得た利益を受けることができる権利を表示した有価証券をいいます。
 証券投資信託受益証券は、課税時期において解約請求又は買取請求を行ったとした場合に証券会社などから支払いを受けることができる価額により評価します。具体的な評価方法は、次のとおりです。

(1) 中期国債ファンドやMMF(マネー・マネージメント・ファンド)等の日々決算型の証券投資信託の受益証券については、課税時期において解約請求又は買取請求をしたとした場合に証券会社などから支払いを受けることができる価額として、次の算式により計算した金額によって評価します。

1口当たりの×口数+再投資されていない−Aにつき源泉徴収されるべき−信託財産留保額及び
基準価格        未収分配金(A)所得税の額に相当する金額  解約手数料(消費税額に相当す                                   る額を含む)

(2) (1)以外の証券投資信託の受益証券については、課税時期において解約請求又は買取請求をしたとした場合に、証券会社などから支払いを受けることができる価額として、次の算式により計算した金額によって評価します。なお、1万口当たりの基準価額が公表されている証券投資信託については、算式中の「課税時期の1口当たりの基準価額」を「課税時期の1万口当たりの基準価額」と、「口数」を「口数を1万で除して求めた数」と読み替えて計算した金額とします。また、課税時期の基準価額がない場合には、課税時期前の基準価額のうち、課税時期に最も近い日の基準価額を課税時期の基準価額として計算します。

課税時期の1口当たりの ×口数  −課税時期において解約請求等した場合に −信託財産留保額及び 
基準価額            源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額 解約手数料(消費税                                       額に相当する額を含                                       む)
 

(注) 証券投資信託の受益証券の中には、現在、金融商品取引所に上場されているものがありますが、このような受益証券については、解約請求等を前提とした評価方法は適切ではないことから、上場株式の評価の定めに準じて評価します。

(評基通198、199)

文責:今村 泰之

相続税の申告のために必要な準備

相続税の申告のためには、相続人の確認、遺言の有無、遺産と債務の確認、遺産の評価、遺産の分割などの手続きが必要です。以下そのあらましを説明します。

1 相続人の確認
 被相続人(亡くなられた人のことをいいます。以下同じです。)と相続人(被相続人の財産上の地位を引き継ぐ人をいいます。以下同じです。)の本籍地から戸籍謄本を取り寄せて相続人を確認します。
2 遺言書の有無の確認
 遺言書があれば遺言書を開封する前に家庭裁判所で検認を受けます。ただし、公正証書による遺言は検認を受ける必要はありません。
3 遺産と債務の確認
 遺産と債務を調べてその目録や一覧表を作っておきます。
 また、葬式費用も遺産額から差し引きますので、領収書などで確認しておきます。
4 遺産の評価
 相続税がかかる財産の評価については、相続税法と財産評価基本通達により定められ一般に公表されていますので、それらにより評価します。
5 遺産の分割
 遺言書による遺産の分割を行わない場合には、相続人全員で遺産の分割について協議をし、分割協議が成立した場合には、遺産分割協議書を作成してください。
 なお、相続人のなかに未成年者がいる場合には、その未成年者について家庭裁判所で特別代理人の選任を受けなければならない場合があります。この場合、特別代理人が、その未成年者に代わって遺産の分割協議を行います。
 また、期限までに分割できなかったときは民法に規定する相続分で相続財産を取得したものとして相続税の申告をすることになります。
6 申告と納税
  相続税の申告と納税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
 また、被相続人の死亡の時における住所が日本国内にある場合の申告書の提出先、納税先はいずれも被相続人の住所地を所轄する税務署です。相続人の住所地ではありません。
 相続税は、申告書の提出期限までに金銭で納めるのが原則です。
 しかし、相続税の納税については、何年かに分けて金銭で納める延納と相続又は遺贈(被相続人の遺言によりその財産を移転することをいいます。)で取得した財産そのもので納める物納という制度があります。この延納、物納を希望する方は、申告書の提出期限までに税務署に申請書などを提出して許可を受ける必要があります。

文責:橋谷厚勇

家内労働者等の必要経費の特例

【家内労働者等の必要経費の特例】

1 家内労働者等の必要経費の特例の概要
 事業所得又は雑所得の金額は、総収入金額から実際にかかった必要経費を差し引いて計算することになっています。しかし、家内労働者等の場合には、必要経費として65万円まで認める特例があります。

(注) 家内労働者等とは、家内労働法に規定する家内労働者や、外交員、集金人、電力量計の検針人のほか、特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人をいいます。

2 家内労働者等の所得が事業所得又は雑所得のどちらかの場合の控除額
 実際にかかった経費の額が65万円未満のときであっても、所得金額の計算上必要経費が65万円まで認められます。

3 家内労働者等に事業所得及び雑所得の両方の所得がある場合の控除額
 事業所得及び雑所得の実際にかかった経費の合計額が65万円未満のときは、上記2と同様必要経費が合計で65万円まで認められます。この場合には、65万円と実際にかかった経費の合計額との差額を、まず雑所得の実際にかかった経費に加えることになります。

4 家内労働者などによる所得のほか、給与の収入金額がある場合
(1) 給与の収入金額が65万円以上あるときは、この特例は受けられません。

(2) 給与の収入金額が65万円未満のときは、65万円からその給与の収入金額を差し引いた残額と、事業所得や雑所得の実際にかかった経費とを比べて高い方がその事業所得や雑所得の必要経費になります。

5 この特例をうける場合の注意事項その他
(1) 特例の必要経費額は、事業所得や公的年金等以外の雑所得の収入金額が限度です。

(2) この特例に該当する所得しかない人で、その年の総収入金額が103万円以下の場合は、総所得金額が基礎控除額の38万円以下となりますので、本人に所得税は課されず、また、扶養者の所得税額の計算上、配偶者控除あるいは扶養控除の対象となります。

(3) 上記3、4に該当する方は、「家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の適用を受ける場合の必要経費の額の計算書」を使用されると便利です。

文責:丸本亜希子

貸付信託受益証券の評価

貸付信託受益証券の評価

 貸付信託受益証券とは、貸付信託法の規定に基づく信託で、信託財産を運用することによって得られた利益を受けることができる権利を表示した有価証券をいいます。
 貸付信託受益証券は、その証券を発行した信託銀行などが課税時期(相続の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)現在で買い取るとした場合の買取り価格が評価額となります。具体的な評価方法は、次の算式のとおりです。

元本の額+既経過収益の額−源泉所得税相当額−買取割引料=評価額

 上記算式中の「既経過収益の額」は、課税時期の属する収益計算期間の開始日から課税時期の前日までの期間における収益の分配金の額をいいます。
 なお、「買取割引料」については、発行した信託銀行などで異なります。

文責:今村 泰之
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